PCTの国際出願促進交付金制度の廃止および手数料軽減制度への一本化について | 協和特許法律事務所

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PCTの国際出願促進交付金制度の廃止および手数料軽減制度への一本化について

カテゴリ: IPニュース 公開日:2023年11月06日(月)

 2024年1月1日以降の日本語PCT出願について、中小企業等を対象とする国際出願促進交付金制度(以下、交付金制度)は廃止され、手数料軽減制度(以下、軽減制度)に一本化されます。

 

 これまで、PCTの「送付手数料」、「調査手数料」、国際予備審査請求の「国際予備審査請求料」は、軽減制度により軽減されており、一方、「国際出願手数料」、「国際予備審査請求に係る取扱手数料」については、交付金制度により、交付金という形で還付されていました。軽減制度を利用するためには、国際出願または予備審査請求と同時に軽減申請を行う必要があり、さらに交付金制度を利用するためには、軽減申請とは別に、国際出願手数料または取扱手数料の納付から6か月以内に交付申請を行う必要がありました。

 

 軽減申請と交付申請の対象者の要件は同一であり、かつ、軽減制度と交付金制度とで実質的な納付金額の割合(手数料の1/2、1/3または1/4)も同一であるにも関わらず、軽減と交付金の両方を受けるためには、二度の申請を必要としていました。

 

 これに対して、今回の改正で交付金制度が廃止され、軽減制度に一本化されることになりました。
・国際出願と同時に軽減申請を行えば、PCTの「送付手数料」、「調査手数料」だけでなく、「国際出願手数料」についても軽減されます。
・また、国際予備審査請求と同時に軽減申請を行えば、「国際予備審査請求料」だけでなく、「国際予備審査請求に係る取扱手数料」についても軽減されます。

 

 この新制度は、2024年1月1日以降の日本語PCT出願に適用されます。2023年12月31日以前の日本語PCT出願については、これまでの旧制度(軽減制度および交付金制度)が適用されます。尚、英文PCT出願については、旧制度および新制度ともに対象となっておりません。

 

 以下、特許庁のサイトもご参照ください。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/pct_shiensochi.html
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/document/index/pct-ryokin-shien.pdf

 

パートナー・弁理士 赤岡 明

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