インドネシア特許の実施状況報告書の提出義務について(2025年11月14日更新) | 協和特許法律事務所

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インドネシア特許の実施状況報告書の提出義務について(2025年11月14日更新)

カテゴリ: IPニュース 公開日:2025年11月14日(金)

 在外代理人の情報によりますと、2024年インドネシア特許法第65号第20A条において、インドネシア特許の特許権者は、インドネシアにおける特許の実施状況報告書を提出することが義務付けられました。
 尚、実施状況報告書に関連する規則はまだ起草段階にあるため、本文書にてご案内させていいただく内容は、今後の特許庁発表により変更になる可能性もございます。
 
・提出期限
 実施状況報告書の初回の提出期限は、累積年金納付期限と同じ(特許権付与日から6ヶ月以内)との情報があります。
 ただし、2025年11月30日以前に付与された全ての特許については、実施状況報告書の初回提出期限は2025年12月31日までとなります。
 2025年12月中に付与された特許については、2026年12月31日が提出期限との情報もありますが、年金納付期限と同じ(特許付与日~6か月)を推奨するとの情報もございます。
 (※期限については、今後、修正される可能性があります)

 

・提出義務違反の場合
 不提出に対する罰則または制裁規定は現時点でありません。
 しかし、利害関係を有する第三者による強制実施権の対象となる、あるいは、公益的な当事者や実施者による取消しの対象となり得るとの情報がございます。

 

・「未実施」を選択した場合
 実施状況報告書において、「未実施」を選択した場合でも、現時点では、実施済みと報告された特許と同様に取り扱われ、不利益はありません。ただし、「未実施」の選択を3年間以上継続した場合、第三者が強制実施権を請求する可能性があります。このとき、第三者はまず特許権者に対して実施許諾を請求する必要がある等、特許権者に何らかの弁明の機会が与えられ、いきなり強制実施権が設定されることはない、とのことです。

 

・必要書類
 署名済み実施状況報告書(公証または認証は不要)のカラースキャンデータ(原本不要) 

(※この実施状況報告書は特許ごとに提出する必要があり、複数特許を1つの実施状況報告書にまとめることはできません。)

 

・費用
 庁費用:無し
 現地代理人手数料: 約150USドル~約200USドル/件
 弊所手数料: 非公開

 

パートナー・弁理士 赤岡 明

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