韓国における非伝統的商標(色彩・立体)の登録事例について | 協和特許法律事務所

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韓国における非伝統的商標(色彩・立体)の登録事例について

カテゴリ: IPニュース 公開日:2016年08月31日(水)

2016年6月10日付で韓国特許庁に商標登録された色彩のみの商標、立体商標に関する登録例をご紹介します。これらの商標は、ルクセンブルクのRiGO Trading S.A. が2015年6月8日に出願し、2016年6月10日付で登録された商標です。登録された商標は、長期に渡り世界各国で販売されてきたグミ菓子の「HARIBO」のグミの形状と「HARIBO GOLDBAREN」パッケージに採用されている色彩です。

 

 商標  商標の種類  登録番号  区分  指定商品 
立体 立体  4011837800000  30  Confectionery 
立体 立体  4011837810000  30  Confectionery 
立体 立体  4011837780000  30  Confectionery 
立体 色彩のみ  4011837770000  30  Confectionery 
立体 立体  4011837830000  30  Confectionery 
立体 立体  4011837790000  30  Confectionery 
立体 立体  4011837820000  30  Confectionery 

 

HARIBOの公式ウェブサイト(https://www.haribo.com/enUS/company/history.html)によれば、HARIBOグミの形状は1922年に原型が完成しており、1978年には現在の形状が採用されたもののようです。1978年にパッケージに金色が採用され、1989年には現在と同じ金色のパッケージが採用されたようです。

現地代理人の弁理士 任瑞英 先生(韓国Lee International事務所)によれば、国内外において、出願日前の約37年間にわたって同一形状のグミを生産しており、出願日前の約26年間にわたってパッケージに同一の金色を使用していたという使用実績に基づき、特許庁の審査において識別力が認められ登録されたようです。

本件商標は、韓国における色彩のみからなる商標、お菓子の形状からなる立体商標の登録を検討する際の参考例となりそうです。なお、色彩のみからなる商標の指定商品は、「Confectionery(菓子)」という記載になっているところ、この色彩のみからなる商標が、第三者にどのような影響があるかという点については、引き続き注目していく必要がありそうです。

なお、この情報は、2016年8月28日に釜山で開催されたアジア弁理士協会の日韓合同商標意匠委員会会議(第3回)において紹介された事例を参考として、韓国特許庁データベース「KIPRIS」において公開されている登録商標情報を引用し、HARIBOの公式ウェブサイト情報を参照・引用し、コメントを加えたものです。

 

文責: 弁理士 副田 圭介

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