ホーム > 知財情報 > 特許の審決取消請求事件(平成21(行ケ)第10434号)

知財情報

特許の審決取消請求事件(平成21(行ケ)第10434号)

当事務所の吉武弁護士外6名が代理した特許の拒絶審決に対する取消請求事件(平成21(行ケ)第10434号)について、特許庁の拒絶審決を取り消す旨の判決がありました。

当判決では、特許審査実務において適用される特許法36条6項2号(明確性要件)の解釈に関し、かなり一般性の高い判断基準を示しており、今後の実務に与える影響が注目されますので、以下にその概要をご紹介します。

特許法36条6項2号の趣旨・解釈について

当判決は、特許法36条6項2号について、特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、明細書等の記載や技術的常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否か(当業者において、明細書等の記載を参酌してその範囲を理解できるか否か)という観点から判断されるべきであり、同号の趣旨はその点に尽きる旨述べられております。
その上で、発明の解決課題やその解決手段、その他当業者において発明の技術上の意義を理解するために必要な事項は、法36条4項への適合性判断において考慮されるべきであるから、同号を解釈するに当たって、特許請求の範囲の記載に、発明に係る機能、特性、解決課題ないし作用効果との関係での技術的意味が示されていることを求めることは許されない旨判示しております。