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2016年5月16日インド特許規則改正のポイント
[Patent (Amendment) Rules 2016]

2016年5月16日付けで、改正インド特許規則が施行されました。改正の主なポイントは以下の通りです。


・特許審査期間の短縮

 旧特許規則では「最初の審査報告(First Examination Report)の発行日から12ヶ月以内」に、当該特許出願を特許許可状態にしなければなりませんでしたが、改正特許規則では、これが短縮されて、「最初の審査報告の発行日から6ヶ月以内」に、当該特許出願を特許許可状態にしなければならなくなりました。つまり、アクセプタンス期間が12ヶ月から6ヶ月に短縮されました。ただし、この期間は、6ヶ月の期間満了前の請求により、3ヶ月だけ延長することができます。改正特許規則は、2016年5月16日(月)以降に最初の審査報告が送付された特許出願に適用されます。
 一方で、審査官は、最初の審査報告に対する出願人からの応答書提出日から3ヶ月以内に、その特許出願の処分を確定させなければならない義務が課せられました。これにより、審査遅延が著しいインド特許庁における審査処理促進が期待されています。
 なお、2016年5月16日(月)よりも前に、つまり実質的には、2016年5月13日(金)以前に、最初の審査報告が発行されていた特許出願には、依然として旧特許規則が適用され、「最初の審査報告の発行日から12ヶ月以内」に、当該特許出願を特許許可状態すれば足ります。


・PCT国内移行時のクレーム削除

 旧特許規則では、PCT出願をインドに国内移行する際に、クレームを削除することは認められていませんでしたが、改正特許規則では、これが認められるようになりました。これにより、不要なクレームを削除することによる費用の削減を図ることが可能になりました。


・審査請求料の返金

 旧特許規則では、一度納付した審査請求料は出願を取り下げたとしても返金されることはありませんでしたが、改正特許規則では、最初の審査報告が出される前に出願を取り下げた場合、審査請求料の90%が返金されることになりました。実務的には、インドの審査請求のオフィシャルフィーが3万円から4万円程度であり、また、現地代理人手数料の必要性を考えれば、実際に返金される金額はさほど多くはないと思われます。


・分割出願に対する審査請求期限

 旧特許規則では、分割出願に関しては、親出願のステータスにかかわらず、分割出願日から6ヶ月以内であれば審査請求をすることができましたが、改正特許規則では、親出願が既に審査に付されている場合には、審査請求は分割出願と同時に行わなければならなくなりました。このため、分割出願をしたとしても、審査請求を6ヶ月先送りに出来るという期間的利益は享受することができなくなりました。


・シーケンスリスト提出料の上限設定

 バイオ関連でシーケンスリストをインド特許庁に提出する場合、1ページあたり800ルピー(約1,500円)のオフィシャルフィーが提出料として必要であり、旧特許規則では、この提出料に上限は定められておりませんでした。改正特許規則では、この提出料の上限が150ページ(120,000ルピー、約22万円程度)となり、151ページ以降は提出料が加算されなくなりました。長いシーケンスリストを提出する必要のある出願人には、朗報と言えます。


・委任状提出期限の明文化

 旧特許規則では委任状の提出期限に関して明文の規定はありませんでしたが、改正特許規則では、特許出願日から3ヶ月以内に提出しなければならないと規則135に明文化されました。実務上、Form-1の提出期限が、特許出願日から6ヶ月で管理されていますので、発明者がサインするForm-1の提出期限と、出願人がサインする委任状の提出期限を別々に管理する煩わしさが生じたことになります。


詳細な情報は下記インド特許庁のホームページにてご確認頂けます。


文責: 弁理士 関根 毅